気ぬけごはん

神戸に住んでいた時、雑誌「暮しの手帖」が愛読書だった。週末の午前中は、近所の図書館でよくバックナンバーを読んだっけ。中でも料理家の高山なおみさんの料理とコラム「気ぬけごはん」をこよなく愛していた。彼女の料理やコラムはいつも飾り気が無く、いかにして、楽に料理に向き合うか、というスタンスを貫いておられるのが好感が持てて、参考にしていた。あともうひとつ。他の料理家の方々の料理本によく見受けられる「キレイに見せよう」とする意識が全く感じられないのも、好感が持てる大きな理由であった。

先日、ポートランドにある日本語書籍専用の、私設図書館に赴いたら、なんと高山さんの「気ぬけごはん」の単行本を発見。嬉々として借りてきて、もったいないから、わざと少しずつ少しずつ読んでいる。

さて、現在私が暮らしているポートランドは、ヘルシーフードブームのメッカ。猫も杓子もベジタリアン。猫も杓子もグルテンフリー。したがって、持ち寄りパーティに持参する料理は、ベジタリアンやグルテンアレルギーの人もいることを見越して、サーモンの代わりにテンペ(大豆を発酵させたもの)使って巻き寿司にしている。これが実に好評で、友達からは「巻き寿司講習会」をしてくれと、頼まれる始末。

我が家の食事、肉そのものが登場する頻度は少ないし、基本的には野菜中心の食生活だが、我々はベジタリアンではないし、ベジタリアンになろうとも思わない。だって、もし肉や魚を摂取しない、ということは、たっぷりの鰹節でとったかつおだし、豊かな海の味がするいりこだし、鶏ガラでコトコト煮出したコクのあるチキンスープ、癖があるけどやめれれないナンプラー(魚醤)など、使用禁止ということ。これは絶望的だ。絶対に無理だ。

ベジタリアン人口がかなり高いこの街。しかし、ベジタリアンでも不健康そうな人はたくさんいる。栄養が偏ってそうな人もたくさんいる。ポテトチップスや砂糖菓子など、ジャンキーな食品を過剰摂取しているベジタリアンが非常に多くいる。なので、私は「ベジタリアン」イコール「健康」、ではないことを知っているのである。

私は、気ぬけたごはんが好きだ。ルールなどなくてもいい。肉は絶対食べないとか、グルテンは絶対摂取しないとか、食に「絶対」をつけると苦しくなる。なんでもありで、1週間単位で栄養の帳尻が合えばそれでオウケイにしたい。

3日前にコトコト煮込んだチキンスープ。今日はスパイスとサツマイモを入れて、カレースープにした。クリスマスはサーモンを焼く。クリスマスが終わったら、娘と餃子をつくろう。あとはたこ焼きも。食いしん坊万歳。人生楽しいことだらけ。



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